今や、マウスピース型矯正装置の代名詞ともなっている「インビザライン®」はアメリカに本社があるアライン・テクノロジー社の製品です。他にもアライナー型矯正やマウスピース型矯正といったものは、インビザラインの他にもクリアコレクト®を始めとする海外で作製されたものや国内の技工所で作製されたものなど、世界中で大小100近くものメーカーが製作・販売しています。その中でもインビザラインは最大のシェアを誇り、現時点で全世界で1300万症例以上の治療実績*があるとされています(*2023年3月現在のアラインテクノロジー社ホームページより抜粋)。これまでのところ、重大な副作用の報告はありません。インビザラインは上記のように実績があり、世界中で使用されているマウスピース型矯正装置の代表例ですが、厚生労働省の医薬品医療機器等法で承認された医療機器ではありません。1997年にFDA(アメリカ食品医薬品局)の認証を受けていますが、 日本では、カスタムメイドの装置であること(既製品でない)、海外発注で製作がオートメーションロボットによる機械による製造になることから、 医療機器としての矯正装置に該当しないこととなっています。日本で医療機器(矯正装置)として認められるには、以下の3つの要素が必要とされています。①薬事承認された材料を使用②日本の国家資格を有する歯科医師か歯科技工士が製作③既製品でそのもの自体が薬事承認されているただし、インビザラインで使用されているマウスピースの素材は薬事承認されており、安全性が保証されているため、口の中に入れることは問題ありません。もちろん、国内には承認を受けた矯正装置もあります。当院では、インビザラインの実績とシェア状況、さらに、これまでの安全性から取り扱いを行っており、米国アライン・テクノロジー社のグループ会社であるアライン・テクノロジー・ジャパン株式会社より入手を行っています。他にも症例に応じていくつかの種類を使い分けしていますので、マウスピース型矯正装置=インビザラインではなく、当院の位置づけとしては一選択肢としてご提案しています。ここで重要なことは、インビザラインをはじめとする医療機器法の対象外のマウスピース型矯正装置を使用する場合は、医療機器法の対象外のため医薬品副作用被害救済制度の対象とならない場合があることです。そのため、それらを選択される場合は上記のことをご理解、ご同意のうえ、選択いただく必要があります。