こんにちは。こちらの院長ブログではご質問や、気になることなどを毎月分かりやすく説明していきます。今回は「部分矯正(MTM)」についてご説明していきます。『自分の歯並びは全部するほどじゃないけれど、ここだけ治したい。』と相談にお越しになる方が多くいらっしゃいます。部分矯正って?部分矯正とは、歯並び全体を矯正するのではなく、気になる部分だけを矯正する治療です。MTM(Minor Tooth Movement)とも呼ばれます。全体を矯正するとなると時間も費用もかかりますが、部分矯正は治療箇所が限定的なのでそれらを抑えることができます。部分矯正の主な治療例として、補綴(かぶせもの)物やインプラント治療との併用や、奥歯が傾いている、前歯のガタガタだけを治したいといった例が挙げられ、歯列全体にアプローチしなくても機能的な歯並びにつなげることができる場合に選択されることが多いです。部分矯正のメリット・デメリット状態にもよりますが、気になる部分のみ矯正することで期間・費用共に歯列全体を矯正する場合の1/3〜1/5程度で抑えられるケースが一般的です。また、矯正する歯が少ないことによるメリットとして、違和感が少ない、歯磨きや口内炎のリスクの軽減、部位によっては装置が目立たない、といったことが挙げられます。一方でデメリットもしっかりと知っておく必要があります。主なデメリットとして、症例が限られること、かみ合わせを治療することはできないことが挙げられます。部分矯正は限局的な治療になるので、かみ合わせや顎全体の治療をすることはできません。また、前歯だけが気になっていたとしても、実は奥歯を含めた移動量の大きいケースになる場合や、抜歯が必要なケースなどがあり、その場合には部分矯正で治療することが難しいので、全顎矯正をご提案する場合もあります。部分矯正の方法部分矯正をする場合の矯正方法は主に3つあります。ブラケット/ワイヤー矯正:唇側矯正(表側矯正)ブラケット/ワイヤー矯正:舌側矯正(裏側矯正)マウスピース矯正ブラケット/ワイヤー矯正:唇側矯正(表側矯正)永久歯に対する一般的な矯正治療が唇側矯正(表側矯正)になります。ほとんどの症例に対応でき、舌に当たることがないため発音への影響も少なく、期間・コスト面でも最も標準的な治療法です。→唇側矯正に関して詳しくはこちらブラケット/ワイヤー矯正:舌側矯正(裏側矯正)歯の裏側に装置をつけるため、装置が目立ちにくく、審美性が高いことで人気なのが舌側矯正(裏側・リンガル矯正)です。調整に時間と技術が必要になるため、唇側と比べると少しコストアップしますが、人と会うお仕事をされている方など審美性重視されたい方にオススメです。→舌側矯正に関して詳しくはこちらマウスピース矯正インビザラインなどで身近になってきているマウスピース型矯正装置*は、取り外しができるため、違和感が最も少なく、審美的にも比較的優れている特徴があります。また、通院頻度もワイヤー矯正より間隔をあけることができるので、ライフスタイルに合わせやすい治療の一つです。ですが、十分な効果を得るために装着時間を確保する「自己管理」が必要不可欠になります。また、治療症例が限られるため、全ての症例に対してオールマイティーに適応することができませんが、部分矯正の場合は比較的治療可能なケースが多いです。→マウスピース型矯正装置*に関して詳しくはこちら*医療機器法の対象外のため医薬品副作用被害救済制度の対象とならない場合があります。費用と期間それぞれの歯の状態や使用する装置によるので費用・期間共に幅はありますが、費用は10万〜40万円、期間は3ヶ月〜1年程度を想定していただくのが良いかと思います。部分矯正が選択される症例について部分矯正で治療されることの多い症例を挙げています。前歯のガタガタ(叢生・乱抗歯)子ども(生え変わりのある時期)の前歯の歯並び上または下の歯だけ1~2本程度のねじれのある歯(捻転歯)歯と歯の間が空いているすきっ歯(空隙歯列・正中離開)埋まっている歯を出したい奥歯を抜いてしまい隣の歯が傾いてしまったので起こしたい(補綴併用)歯を引き出したい、または引っ込めたい(補綴併用)インプラントを埋入する場所を作りたい当院では患者さん一人一人のご要望と歯の状態から、柔軟な治療方法ご提案しています。他院との連携もできますので、矯正を併用して補綴治療をしたいとお考えの一般歯科の先生もお気軽にご相談ください。まずは無料の初回カウンセリングで相談を部分矯正の範囲内で治療ができるのか、どんな治療方法が適しているのかなど、まだ矯正治療をしようか迷っている方でもお気軽にカウンセリングにお越しください。