顎変形症治療における「サージェリーファースト」・「アーリーサージェリー」について当院では、関西ではまだ導入施設が少ない「サージェリーファースト」および「アーリーサージェリー」といった先進的な治療法を取り入れ、顎変形症の治療にあたっています。近年、これらの治療法にご関心をお寄せいただく患者さまが増えており、多くのお問い合わせをいただいております。そこで、このページにて治療法の概要をご案内させていただきます。サージェリーファーストとは?顎変形症の治療では、矯正歯科治療と口腔外科手術を組み合わせて、咬み合わせ(咬合)の機能回復と顔貌の改善を図ります。従来の治療の流れは以下のようになります術前矯正 → 外科手術 → 術後矯正 → 保定一方、「サージェリーファースト」では、その名の通り治療の順番が異なります外科手術 → 術後矯正 → 保定つまり、術前の矯正治療をほとんど行わず、まず手術を先行して実施し、あごの位置を理想的な位置に戻した上で、術後に歯列や咬み合わせの調整を行います。メリットと注意点メリット顔貌の早期改善治療開始直後に手術を行うため、外見上の変化がすぐに得られます。審美的負担の軽減術前矯正によって一時的に咬み合わせが悪化することがなく、見た目のストレスが少ないです。治療期間の短縮手術後は骨の治癒過程により、歯の移動が促進され、矯正期間が短くなる傾向があります。装置の選択ができる矯正のための装置に基本的には制限がないため、目立ちにくいマウスピースタイプの矯正装置も使用できます。注意点あごの位置決定には高度な診断と技術が求められるため、豊富な経験と専門的知識を有する医師による治療が不可欠です。また、口腔外科医と矯正医との密な連携が取れないと、これらの設定は難しいため、双方の緊密な連携が取れている施設でしか実施ができません。保険適用外の治療となるため、費用面については事前にご相談が必要です。実施施設が少ないメリットデメリット⭐️治療期間が短い①術前矯正期間がほとんどない②術後の矯正歯科治療期間が短縮できる⭐️装置の制限がない(マウスピース型矯正装置も可能)●保険適用外のため費用負担が大きい●豊富な手術経験や正確なシミュレーションができないと、手術の設定が難しい●実施施設が限られるアーリーサージェリーとは?「アーリーサージェリー」とは、従来の保険診療の流れに沿って術前矯正を行いながらも、早期の段階で外科手術を実施する治療法です。このアプローチにより、治療全体の効率化と期間の短縮を目指します。アーリーサージェリーの特徴とメリット術前矯正は行いますが、不要なステップを省き、より効率的な治療計画が可能です。早期に外科手術を行うことで、顔貌に対する一時的な変化(術前の審美的負担)を短期間で解消できます。サージェリーファーストと同様に、治療期間の短縮が期待できます。保険適用についてアーリーサージェリーは、一部の症例において保険適用となる可能性があります。ただし、保険が適用されるのは限られたケースのみであり、多くの場合は自費診療となります(検査・診断が必要)。詳細は、カウンセリング時にお問い合わせください。高度な技術と経験が必要ですアーリーサージェリーも、あごの位置を正確に設定する必要があるため、豊富な臨床経験と高度なシミュレーション技術を持つ医師による治療が重要です。当院では、最新の画像技術と緊密な口腔外科医との連携を行なっており、術前の精密検査・診断をもとに、適切な治療計画を立てております。顎変形症治療について詳しく知りたい方、サージェリーファーストやアーリーサージェリーに関するご相談は、どうぞお気軽にお問い合わせください。初診カウンセリングも随時受け付けております。顎変形症の治療方法 比較表(保険診療・サージェリーファースト・アーリーサージェリー)比較項目保険診療サージェリーファーストアーリーサージェリー術前矯正期間約1〜2年半なし(準備期間 約1ヶ月)約6ヶ月前後顔貌の一時的変化あり(術前矯正中に見た目が悪化)なし(初期に手術を行うため)短期間のみ入院期間約10日〜1ヶ月(施設により異なる)1泊2日程度1泊2日程度装置の選択肢表側のワイヤー装置のみ(選択不可)自由に選択可(表側・裏側など)自由に選択可(表側・裏側など)術後矯正期間約1〜2年半約1年前後約1年以内費用負担保険適用(自己負担 約50万円以内)保険適用外(自費診療)原則 自費診療(※一部保険適用あり)実施可能な施設全国の大学病院などの医療機関実施施設が限られる(少ない)実施施設が限られる(少ない)