顎変形症手術における吸収性プレート使用のメリット
~身体への優しさと審美性を両立する治療選択~
当院では、顎変形症の外科的治療において、患者さまの身体的・精神的なご負担を最小限に抑えることを目的とし、必要に応じて吸収性プレートを使用しております。
■ 骨の移動と固定:手術の概要
顎変形症の手術では、上顎および下顎の骨を切離し、理想的な位置へ移動させます。これは意図的に「骨折をさせる」イメージに近く、正確な位置に再配置された骨片を固定することが、術後の安定した咬み合わせや顔貌の改善にとって極めて重要です。
骨片を安定させるためには、「プレートとスクリュー」による固定が必要であり、これには大きく分けて2種類のプレートが存在します:
- 非吸収性プレート(主にチタン製)
- 吸収性プレート(生体分解性ポリマー製)
■ 吸収性 vs 非吸収性:選択がもたらす違い
特性
非吸収性(チタン)プレート
吸収性プレート
体内残存性
永続的に体内に残る
約1~2年で体内で分解・吸収される
除去の必要性
全身麻酔下で再手術が必要
除去手術が原則不要
身体的負担
手術が2回必要
1回の手術で完結
鼻への影響(上顎手術)
プレート除去時に鼻付近に再侵襲の可能性
再手術不要のため鼻の変形リスク回避
■ 吸収性プレートがもたらす安心とメリット
- 全身麻酔による再手術が不要
一度の手術で完結するため、入院や回復の期間、リスクが大幅に軽減されます。
- 審美面への配慮
上顎手術後に再び鼻周囲を操作する必要がないため、術後の鼻の形態変化リスクを抑制します。
- 患者様の生活に寄り添う治療
手術回数の削減は、時間・費用・心身のストレス軽減に直結します。
- 医療技術としての信頼性
吸収性プレートは、欧米をはじめとした先進医療機関でも広く使用されており、その安全性と効果は多くの臨床研究で証明されています。
■ 非吸収性(チタン)プレートを除去せず、体内に残したままにすることのリスク
非吸収性(チタン)プレートを除去せず、体内にそのまま放置することでのリスクは以下が考えられます。
🔹 1. 感染リスク
- まれですが、プレート周囲に感染が起こる可能性があります。特に手術直後に感染が生じていれば、慢性化するリスクがあり、場合によっては再手術が必要になります。
🔹 2. 異物反応・炎症
- チタンは生体適合性が高い金属ですが、体質によってはアレルギーや慢性的な炎症反応を引き起こすこともあります。
🔹 3. 骨や周囲組織への影響
- 長期間にわたりプレートが存在することで、周囲の骨にストレス遮断(stress shielding)などの影響を及ぼす可能性があります。
🔹 4. 成長への影響(成長発育のある小児)
- 小児では骨の成長を妨げる可能性があります。成長過程の骨に固定したままにすると、変形や成長障害を引き起こすことがあります。
🔹 5. 画像検査時の影響
- MRIやCT検査でアーチファクト(画像の歪み)が発生することがあり、診断に支障が出る場合があります。
🔹 6. 再手術時の妨げ
- 将来的に再度その部位に手術が必要になった場合、プレートがあることで手術が複雑になることがあります。
🔹 7. 心理的要因
- 「体内に金属がある」という心理的な不安を感じる人もいます。
チタンプレートは多くの場合、長期的に体内に残しても問題ないとされることが多いですが、個々の症例や体質、年齢によって判断は異なります。主治医との十分な相談が大切です。
また、撤去するタイミングも適切な時期があるため、事前にプレート除去の時期も含めて、顎変形症の手術を検討することをお勧めしています。
■ 当院の取り組み
当院では、「治療効果」と「患者様の生活の質(QOL)」の両立を目指し、低侵襲かつ審美的なアプローチを心がけています。吸収性プレートの使用はその代表例であり、術後の経過や見た目の自然さにこだわる患者様にもご満足いただいております。
■ まとめ
吸収性プレートの使用は、単なる治療選択ではなく、患者様の人生に寄り添った選択肢です。安全性・審美性・快適性を兼ね備えたこの治療法で、よりよい未来を一緒に目指しましょう。
📌 ご相談・カウンセリングのご予約はWEB予約よりお気軽にどうぞ。
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